対人ストレス対応へのヒント その4・「投影」を理解

事例2.恵子さんは

入社8年目の社員。
営業部で仕事をしている。
明るくまじめなタイプ。
同僚である明子さんが気になって仕方がない。
「彼女が私をひどく嫌っている。それは彼女の言動からわかる。
例えば私と会うと、いつも嫌な顔をし、私を避けている。
仕事に集中できない」と言う悩みだ。
他の同僚は「そんな事はないよ」や「あなたの思い過ごしでないか」と言う。

「精神分析学」から、「明子さんの恵子さん大嫌い」を分析してみよう。
人の心は自分でわかる、すなわち意識できる部分だけではない。
意識できない「無意識の働き」が大きい。
実は「明子さんが私を嫌っているのではなく、無意識では恵子さんが明子さんを嫌っている」と解釈する。
「どうして」と思われる方も多いだろう。
恵子さんには、図に示したように「明子さんが大嫌い」の強い感情があり相手の心に映しだされる。
しかしそれを認めたくない無意識の心の作用が働き、「相手が嫌っている」となる。
この働きを専門的に「投影」
と言う。
そこで日々の生活では「明子さんが私を嫌っている」となるのだ。
苦手な人や嫌いな人がいる対人関係理解のヒントになる。

「投影」の働きを理解しよう⇒明子さんが私を嫌っている、実は明子を嫌いなのだ