マコマコ通信 No.34

大人になるのを伸ばしたい若者が増加

成人式で、よく考えるのは

成人式シーズンです。
私は「成人式」という言葉を聞くたびに「成人、すなわち大人になるって、いつから?どのような姿、状態になることだろうか??」と考え込むことがあります。
成人式の条件である18歳で大人。
少し現実離れしているように思えます。

昔は十五歳くらいで元服、嫁に

以前はどうだったかと、本をひも解けば「男は元服、12~16歳くらい」。
三木露風の名曲「赤とんぼ」の歌詞に「15で姐やは 嫁に行き」があります。
戦前、女性は15歳くらいで結婚するのが珍しくなかったのですね。
現在は結婚年齢は18歳からとなっていますが。
考えさせられます。

モラトリアムを延長する若者が増加

「大人になる」は、精神医学・心理学の大きなテーマです。
大人になるために猶予される期間をモラトリアム(精神分析学者のエリクソン博士が命名)と言います。
「何がしたいのか」、「何になりたいか」など、試行錯誤をし成長していく時期です。
いまでは、その「期間延長」が当たり前になっているようです。
25歳、30歳か、35歳と大人になる年齢がドンドン延長しています。
以下に、その現象を症候群で紹介します。

1.途中下車シンドローム

自分がしたい仕事や自己実現を求め、職場などを転々とします。
「転職=天職」探しでしょうか。
ちょうど電車で目的地に着くまでに、何回も途中下車し、回り道をする姿に似ていることから、精神科医の故吉川武彦博士が命名しました。
いつかは本当の仕事や会社、良き上司に巡り合える可能性はあるとも言えますが、そうできない場合は、さまよい続けるのでしょうね。
最近、モラトリアムを気づかせたのは「パラサイト・シングル」増加の実態です。
彼らは経済的には自立していますが、精神、あるいは身辺自立が難しいので、親元にいつまでも同居する姿です。

2.パラサイト・シングル

社会心理学者の山田昌弘博士により提唱されました。
親を宿主として寄生(パラサイト)する独身者(シングル)を意味します。
博士が『パラサイト・シングルの時代』を出版し、広く知られるようになりました。
成人後は自立を求められる北西ヨーロッパ諸国やアメリカ・カナダ・オーストラリアなどの諸国では見られない現象と指摘しています。
日本独自のようですね。
家事などを親に任せ収入の大半を自由に使えるので、豊かな生活を送ることができ居心地が良いので抜け出せなくなるようです。

(パラサイト・シングル―Wikipediaより一部引用)

30歳までに卒業、35歳までは??

では大人になる目途、年代は、いつ頃なのでしょう…
精神科医の笠原 嘉博士は「30歳まで待ったら」と提案しています。
それがさらに延長して35歳ころと言う意見もあります。
一方、「モラトリアムのどこが問題なんだ」との反論もあります。

難しい課題なので、ここで筆をおきます。