マコマコ通信 No.31

読書の秋

女心と秋の空。
うつろいゆく秋ですね。
俳句で語れば「柿くえば 鐘が鳴るなり 法隆寺」、「名月や 池をめぐりて 夜もすがら」、「秋深し 隣はなにを する人ぞ」など名句は多い。
それとともに秋は読書の季節でもあります。

「吾輩は猫である」から始まった

私の読書遍歴について書きます。
同じ夏目であるから?夏目漱石からです。
小学校の時に「吾輩は猫である」を読みました。
「へぇー、猫が主人を観察するんだ」、「動物が人間の中で主人公って、スゴイなぁ!」と発想に惹かれ読んだのです。
たしか、図書館で。
30ページくらい読んだだけです。
興味と集中力が続かなかったからか??
中学時代は読書に縁がなく学校の推薦図書を1-2冊読んだ程度ですが、意外や意外なことが???

「週刊新潮」に引き込まれた中学時代

たまたま読んだのが「週刊新潮」。
いまも新潮と週刊文春は毎週読んでいます。
政治や経済記事からスキャンダルまで。
新聞に比べ、グイグイ引き込んでいく魅力があった。
かつ建前のきれいごとでなく、人間の本音が描かれていたから興味津々だ!
なかでも「黒い報告書」は登場人物の欲望が赤裸々に描写され、一気に読みました。
「人って、こんなこともするんだ、欲望には勝てないのか?」。
中学生にとっては青天の霹靂でしたよ。
以後、毎週購入し読んだ、読みふけったよ。
特集記事は主人公の身近な人からの生々しい証言から構成され、ドンドン核心に食い込んでいくんだ。
今から思えば記者の勘所の掴み方が優れ、文章力があったからでしょうね。

「世界の名著」を本棚に飾った、大学時代

大学時代は「世界の名著」を読まなければと思い、中央公論社の「世界の名著」を20冊くらい購入し本棚に飾り、悦に入っていました。
何せ、豪華に装丁され、格調高い箱に入っていたから。
ゲーテ、フロイト、サルトルなど横文字の名前がなぜか、神々しい…読んだの?恥ずかしながら3巻だけで、それも10ページくらいしか読んでいなかった。
難しいし面白くなかったからだ。
見栄と変なプライドでした。
クシュン…

30歳代は司馬遼太郎、そして経済小説に

読書したと実感できるのは30歳代半ば。
突然、ハマったのが司馬遼太郎。
「坂の上の雲」は言うに及ばず、長編が多い本を50冊以上は読みました。
小説だけでなく「街道を行く」などの随筆、対談本も。
それから城山三郎の「毎日が日曜日」に引き込まれ、経済小説を読み漁りました。
高杉 良、清水一行などです。
味わい方が三者三様。
文学のほのかな香りが漂う城山、欲望を生々しく描いた清水、企業と個人の葛藤を主題にした高杉さん。
会社や社会を知る視野を広げてくれました。

不遇の時、筆写に没頭した

40歳代半ばから8年間、我が人生で最もつらかった時期です。
「なぜ、俺だけが・・・」、「どうしてだ??」、「どうすれば良いのか」。
考え、悶々とする。
嘆き、愚痴だらけ。
堂々巡りするんだ!空回りだった。
その時、本棚にあった本を何気なく読んだら、少し心が楽になったんだ。
同じ著者の本を5冊購入し、数回読んだ。
それだけでなく人生に関する本、運について書かれた本。
トコトンのトンまで読んだよ。
心惹かれた文章を書きうつしました。
筆写です。
あらら…不思議、そのノートが3冊を超える頃からココロが楽になり、しだいにエネルギーが出てくるのです。
読書の効用を体得しました。
私の読書遍歴を書きました。
本がいかに大事かをくみ取っていただければ幸甚です。

最近の投稿