就活と入社式
入社式のイラストです。
新入社員の思いは感無量でしょう。
学生の最大関心事は、企業への就職。
その就職活動を略して「就活」と言います。
今後の人生の多くを保証してくれるのが会社です。
一流企業、ダメならは大企業に入り安心したいのが本心です。
まだまだ日本では、終身雇用・年功序列制度があり、退職するまでの雇用と生活を保証しています。
一流企業に就職できれば退職、退職後(企業年金と退職金)まで安心して働け、高収入が保証されているからです。
就活は、今では3回生春学期からスタートしています。
不況⇒「就職氷河期世代」は運がない?
就活で最も気になるのは卒業時の景気でしょう。
好景気なら希望する会社に入りやすく、不況なら採用人数が大幅減少して就職が難しくなるから。
端的に示したのがバブル崩壊、リーマンショック後の就職氷河期・「氷河期世代」です。
リーマンショック後と、それ以前の就職氷河期とは違います。
正社員採用が減ったのです。
いわゆる非正規雇用が増加し、若者の生活レベルを大きく低下させました。
医者は就活なし、医局から豪華な勧誘
医師は就活とは全く無縁。
内科や外科などの医局(教授を頂点として准教授、講師、助教、無給医局員から構成、20~150人くらいいます)からの勧誘があります。
記憶をたどれば学生への勧誘が早かったのは第2内科です。
内科・卒業試験終了直後から始まりました。
口頭試問試験があり、全員が合格。
別の部屋に招待されます。
そこには高級洋酒やコニャックであるジョニ黒、ナポレオンが並び、勧誘会に早変わり。
先輩医師から酒が注がれ、「今年は優秀な学生が多い」、「明るく活力がある」とおだてられます。
酔いが回るころには「第2内科に入れば、こんな良いことがあるから」、「高額なバイトを紹介できるよ。
さらには博士号が早くとれる。
開業しやすい」など、口説き文句のオンパレード。
マコマコは心療内科を学び(当時、九州大学、東大、東北大しかなかった)たかったから迷いましたよ。
准教授が神経筋肉系心身症(書痙症、眼瞼痙攣)の専門家でしたから精神科に入局しました。
運動部、OBの勧誘が決め手
同級生の多く運動部(ラクビーや野球、テニス、柔道、剣道など)に所属していました。
6回生になるとOBが部室を訪れます。
練習後に、6回生をバーなどに誘い勧誘します。
ここで決まるのが半数以上でした。
外科系はほとんどが運動部出身で、上下関係がキッチリあるが面倒見の良さもありました。
就活経験がない医師や弁護士、大学講師などは、世の荒波を知らないと言えば、知らないままです。
時々社会常識に欠けるなどと批判される原因は、この辺りにあるかもしれません。
文 夏目誠