マコマコ通信 No.55

天高く馬肥ゆる秋

食欲の秋

今年の夏は猛暑、本当に身に染みる厳しさでした。
やっと秋が訪れたのは10月になってから。
カンカン照りの日々。
猛暑が堪えた人も多かったのではないでしょうか。
今は夏の疲れを癒す時期かもしれません。
澄みきった秋空、天が高く感じられます。
ムクムクの入道雲からスキッとしたイワシ雲に。
秋と言えば、食欲の秋でもあります。
美味しい果物がいっぱいあります。
柿やなし、ぶどう、いちじく、りんごなど。
ついつい食べ過ぎますね。
馬だけでなく、人も肥ゆるのでしょう。

若い女性に過食症が増加

精神医学で食欲と言えば、摂食障害が思い浮かびます。
拒食症や過食症のイメージでしょう。
その中で若い女性に増えています過食の話を、事例から紹介します。

23歳、木村洋子(仮称・以下同じ)さんは商社のキャリアウーマン。
スーツをビシット決め颯爽と働いていました。
しかし3か月前に上司が豪放磊落な田中課長から、神経質な中山さんに代わったのです。
一緒に仕事をしてみると「細かい点まで、いちいちチエックする」や「ネチャっとした話し方」が感に触ります。
「皆の前で私に注意をする」や「具体的にどうしたら良いか指示してくれない」「私の提案を聞いてくれないし無視する」。
洋子さんは係長との対人関係葛藤から、過食症に陥ったのです。

「吐きダコ症候群」発生

洋子さんは、やめることができないどころかエスカレートしていきました。
食べていれば美味しく満足感で満たされます。
食べることに没頭していきました。
冷静になれば肥満が気になります。
トイレで吐くのです。
「吐きダコ症候群」に陥った。

口唇(甘えた)期に

フロイドの精神分析によれば、こころの成長段階を「口唇期」や「肛門期」、「エディプス期」などに分類しています。
それに当てはめれば過食は「口唇期」に当たります。
洋子さんは、口唇期に退行(子ども返り)しているといえます。
ちなみに口唇期の特徴は、“依存性・甘え”です。
その意味では、過食は「親や上司に甘えたいのに、甘えられないもどかしい」状態を反映しているのでしょう。

安易で誤った学習

行動科学から分析します。
過食でストレス解消にしています。
誤った方法を学習したのです。
運動やおしゃべり、趣味などで気分転換ができれば。

再学習⇒おしゃべりや水泳で

誤った学習と考えれば、治療はスムーズにいきます。
まず、不安定なこころを安定させるためクスリを投与しました。
落ちついた時期からカウンセリング。
ストレス解消法について話し合い、その過程で、友達とのおしゃべりの重要性に気づきました。
また、中断していた水泳を始めました。
軽快していきました。
「気分は気分、仕事は仕事。わけて考えるようになった。アフター7で、おしゃべりや水泳を楽しんでいます」と、笑顔で話す洋子さんです。

ついつい食べて…いませんか、
         秋は食べ過ぎに注意を!!

文 夏目誠

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