2つの故郷
故郷と言えば二人の歌人を…
年末から正月と言えば故郷への帰省でしょう。イラスト、そのイメージを幻想風に描いてもらいました。多くの人は帰省列車や車の渋滞を思い浮かべるでしょう。
“ふるさと‥‥”、イメージしますとマコマコには「2人の歌人」が浮かびます。石川啄木と室生犀星です。ともにセンチメンタルで、抒情があり、余韻が長く残ります。思わず涙ぐむ人もいるでしょう。
室生犀星
ふるさとは遠きにありて思ふもの
≪ふるさとは遠きにありて思ふもの…室生犀星「小景異情」 まほろばことば (mahoblog.com)≫
そして悲しくうたふもの
…
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
石川啄木
ふるさとの山に向ひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな
ふるさとの訛(なまり)なつかし停車場の 人ごみの中にそを聴きにゆく
島崎藤村、そして北島三郎も
人間学で著名な伊藤 肇さんが島崎藤村が故郷での講演の冒頭、数分沈黙の後に
「血のつながるふるさと 心につながるふるさと 言葉につながるふるさと」
の言葉を紹介していますが、参加者全員が涙ぐんだ情景もこころを打ちますね。
歌手の北島三郎さんの
「帰ろかな 帰るのよそうかな・・・」も微妙な心情を歌いこんでいますね。
コロナ騒動で、故郷を見つめ直した方も
新型コロナ禍で2年以上も帰省を見合わせた人が多いかと思います。
帰れない。
親や親族に会えない淋しさ、切なさ。
「なぜだ」、「不条理だ」の怒りを感じた人もいるでしょう。
あるいは故郷への想いを再認識された方も。
「こころのふるさと」の原点は?
故郷と言えば、地理・親族以外に、「心のふるさと」を思い描く人も多いでしょう。
挫折、くじけるなどでトコノトンまで落ち込んだ時、他者のサポートや本、あるいは自力で立ち直った状況が、その人にとって「心のふるさと」かもしれません。
そこから、新たな第一歩を踏み出しますから。
僕にもあります・・・・・2つの故郷!